4月11日に浅草第33回日本古武道大会が台東リーバーサイドスポーツセンターにおいて行われました。
日本古武道振興会が主催するもので毎年の恒例になっています。大東流合気柔術の代表として演武してまいりました。
この大会は開会前に特別演武があります。今年は香取神道流。兵法三大源流の一つで古流を代表する剣術を中心とした総合武術です。いろいろな大会で必ずご一緒させていただきますが、解説を聞いたのは今回が初めてのことです。
組太刀に隠された秘密、小太刀の間、右足・左足の使い方、巻き打ちの原理、鎧甲冑の弱点等。多項目につきご指導をいただきました。解説いただいた内容の素晴らしさはもちろんですが、刀筋の正確さ、構えの美しさは舌を巻くばかりです。
素晴らしいものを見せていただいた幸せな一日でした。飯篠先生・大竹先生・京増先生ありがとうございました。
感謝。
この一点にすべてのエネルギーを集中させることをトレーニングする必要があります。
剣で言えば剣先の一点にエネルギーを集められるかです。
指先の一点に意識を集中できるかです。
剣先意・剣先先・剣先威と言われています。
剣先意
剣先に神経を通わす
食事をとるのに箸に力を入れる人はいません。無意識にお箸を持ちます。
作用点は箸先だけです。剣先、手刀、指先に意識をします。
その他は脱力します。これは意識と数のトレーニングが必要になります。
剣先先
動きは剣先から手刀から指先からです。末梢から先に動きます。
これができると、いわゆる枕を抑えるということができるようになります。剣先が利くようになるのです。先の先が利くようになります。
剣先威
剣先に意があり威がつくのです。
太刀に風格が出ます。技に重みが出ます。この剣先威から剣先を超えたところに威が出るのを昔から剣先から火が出る、輪がでると言っているのです。
まずは脱力を意識して対象点(剣先・手刀・指先)をしっかり見る。そこに意を込める。そしてゆっくりそこを動かす。太刀がない意識で剣先に集中。腕がない意識で手刀や指先に集中。技が力から気に変わる良い方法です。試してみましょう。
2月8日日本武道館において第38回の日本古武道演武大会が開催されました。この大会は(公財)日本武道館・日本古武道協会が主催する大会で古武道の大会で一番大きなものです。各流派の宗家並びにその後継者が演武するものです。
大会への初めての参加は第2回の大会です。先師武田時宗宗家と共に日本武道館の上に立たせていただきました。36年前のことです。緊張に足が震え、失敗したら腹切りものだと、必死の形相で壇上に上がったことが思い起こされます。宗家が大衆の前で5人捕りを披露されたのは初めてのことです。当時多くの反響を生むことになりました。
流派の粋を集めた大会であることは事実です。今回も35流派の演武を見ることが出来大変勉強になりました。古流ですから型を重視し、同じことの繰り返しのようですが、毎年工夫改善を加えているのがわかります。また控室等で他流の先生方とお話しできることも無上の喜びの一つです。長らく武道をされている先生方の話は参考になることばかりです。
今年の大会はうれしいことがありました。懇意にしていただいている起倒流の井上彰二先生、荒木流拳法の菊池邦光先生に古武道功労者表彰が授与されたことです。両先生おめでとうございます。誠に喜ばしいことです。
一年間ありがとうございました。
1月7日の稽古初めに始まり12月28日の稽古治めまで大きな怪我もなく運営で来ました。
ありがとうございました。感謝。
日常の稽古に重ねて立見流抜初の大会、勝浦での夏季合宿、黒滝山不動寺での秋季合宿、旭川での本部大会、鹿島神宮の奉納演武、日露武道交流団としての演武大会とモスクワセミナーを行いました。
来年は年明けに日本武道館での日本古武道演武大会に始まり、古武道振興会の演武大会、恒例の勝浦合宿、不動寺の秋季合宿、網走での本部大会、鹿島神宮、明治神宮奉納演武大会。
イタリアセミナー他海外セミナー等の予定を組んでいます。
何より5月からは両国道場がオープンする予定です。
大東流合気柔術と一刀流剣術の研鑽と普及発展に努めます。
稽古始は1月6日です。
良いお年を。
武道の修練度を表す指標として立った姿勢があります。太刀を構えた姿勢、道着を着た姿勢を見れば、その人の修練度が見て取れます。境涯や品格というものも何となく感じるものであるのです。すくっと天を突いている姿勢で、なおかつ浮ついたところがない地についた姿勢。一度気を感じれば万境に変化できる自由さを持つ姿勢。そんな姿は武道人として憧れを禁じえません。この姿勢を考えてみましょう。
1、正中線の確立
頭頂を天につるすイメージを持ちます。頭のてっぺんに糸に引かれて上に引っ張られる感じです。これを浮身といいます。
この浮身と同時に自分の尾骨から重りで下に引かれた感じ。これを沈身といいます。これを同時に行います。膝は少しゆるく緩めます。上と下に力が引かれ体の中が真空になった感じがします。
2、丹田の確立
上下に引かれ真空になった感じの場所これが丹田です。この自由性を持った真空状態は真空なるがゆえに正気が集まりやすくなります。この正気の集合体をコントロールすることが武道の基本であり真髄です。丹田は自由性を持つがゆえに移動することが出来るのです。丹田はバランス的に居やすい場所があります。上は目と目の間などです。古来寸田とか上丹田とか呼ばれています。眼力に変化させる場所です。中丹田と呼ばれる乳頭間の奥は動きの中では頻繁に使います。いわゆる臍下丹田といわれる下丹田も言うまでもありません。足丹田いわゆる足心、足の裏も使います。
3、気の移動
頭の先から足の先までこの正気の移動が出来るようになると姿勢が整います。見た目に姿勢が立ち凛とします。美しくなります。感じたところに気が通るようになると、技として活きてきます。太刀の切っ先に気が通る。手の指先に気が宿るという状態です。これを邪魔するのは肉体的力です。これは気の伝達を減衰します。たとえばご飯を食べる時に、腕の力を入れてお箸を持つ人はいません。箸の先端が自由に動いて物をつかめるのです。
4、しつけ
気を通し、対象の一点。たとえば太刀の切っ先、握られた指の一点に気を移動するトレーニングを行います。これが稽古です。正しい姿勢で正しい技は繰り返し行い、自分の摩擦要因を消して、スムースな伝導体を作り出していくのです。型稽古にはこういう意味があるのです。
少し、専門的になりました。正しい姿勢は重力ある世界の原則です。繰り返し稽古していきましょう。