恒例の鹿島神宮奉納日本古武道交流演武大会が10月1日、2日と開かれました。近藤勝之本部長の代理として今大会も本部指導員ともども参加させていただきました。
この大会第1部は術技交流研修会、第2部は交流親睦会、第3部は奉納演武大会の3部構成になっています。先ず第1部の術技交流研修会は鹿島神宮の武徳殿で行われます。集まった各流派の宗家並びに代表の術技を目の前で見ることができることです。反対にまじかで見られてしまうことでもあるのです。間や呼吸も距離が近いので非常によくわかります。毎回、この場は大変勉強になります。
今回、特に勉強させていただいたのは神道夢想流杖術の演武です。呼吸・間合い・詰め・気合いずれも括目する素晴らしいものを感じました。演武された関展秀先生の杖からは火が出るようでした。千錬万鍛の賜物でしょう。普段から謙虚な先生なのでなお一層感激を強くさせていただきました。
第2部の懇親会もお席を同じにさせていただいた北辰一刀流の先生方から小野派との違いを勉強させていただきました。特に高山先生からは多くの武道における示唆を受けることができました。お酒の入った席での武道交流もなかなか普段聞けないような話ができるチャンスでもあります。一刀流の組太刀に「他流勝ち」があります。四百数十年前、流祖伊藤一刀斉はどのようにして他流の太刀を知り得たのでしょうか?そんな思いを彷彿させる懇親会ありました。
第3部の奉納演武会は、多くの名人・達人が訪れたであろうと思われる鹿島神宮、日本建国・武道の神様である「武甕槌大神」の御前で行われました。今できる最善の演武を全力で奉納させていただきました。毎回鹿島で奉納させていただくことを大変うれしく思う一瞬でもあります。
8月7日の夕刻より8月13日の昼まで恒例の勝浦合宿を開催いたしました。
これは本部長直々、集中的に門下生の皆様に技の修練は元より、武道の本然の意味と役割を身に着けていただくためのものです。決して外国人に向けて開かれているものではありません。国内の門下生に向けても開かれているのです。直々の合宿も本部長の年齢を考えるとあと数回が限度と思われます。
週一の稽古で10年の歳月を費やした国内の門下生より2回の勝浦合宿を終了した外国の門下生の技量が優れるのではないかとの感を強くしています。集中的に技を身に着けることの必要性を感じます。英名録によると、惣角先生が門下生宅に寄宿して指導しているのは1週間から2週間です。そこから多くの名人を輩出しました。もちろんそれを数回繰り返していくわけですが、何十年もの歳月をかけての指導ではありません。さらに当時としては高額の謝礼が発生しました。
外国の門下生は日本に来て滞在するのに、50万円ぐらいの費用を必要とします。10日間ほどの日時も費用となります。ちょうど惣角先生の時代の修練方法と合宿は似ているのです。来日する外国の門下生は心構えが違ってくるのです。
最終日に行われた演武大会をみれば一目瞭然です。今回国内の門下生の演武は素晴らしいものがありました。ただ、入門して数年の外国の門下生の演武は間、呼吸、理合等が包含された立派なものです。合宿の成果と言えるでしょう。
国内の門下生の皆さん、来年は時間を調整して合宿に参加してください。そして平成の名人になってください。