10月25日、26日と鹿島神宮の大神様(武神 武甕槌大神)の御前で演武をしてきました。私はこの大会が大好きです。凛とした大神様の御前で演武をするということはもちろんですが、武徳殿での演武、そして本殿前での演武と2度行うことにより、他流の先生方の演武も2度見ることが出来るからです。他流の多くの名人の先生の演武を見るチャンスはそう多くありません。尚且つ、質問や疑問点などは直接先生方にお聞きすることが出来るのです。
卜傳流の技法の中に、一刀流と共通するものがたくさんあること発見いたしました。一刀流の他流勝ちの中に、「卜伝が一太刀」の型が残っています。虚を取り入り身に入る、また折身の技法等、共通するものが多々ありました。伝承過程で富田流の影響を受けた影響かもしれません。
関口流の米原宗家は御年92歳。座位からの抜刀を見させていただくたびに、長年培われた芸術を感じざるを得ません。そのお姿は将に未来の理想でもあります。お若い先生の中で特に私の目を引いたのは天道流薙刀術の木村友里先生です。風車や水車の見事なこと。
ご幼少のころから基本を修練したものだけが出来る安定感と技のさえがありました。笹森道場の禮樂堂での直元流の薙刀稽古が思い出されます。
他流の先生の演武の素晴らしさを文章にしたらきりがありません。学びの多い大会でした。技の整合理合、間、呼吸、気合。各流派の秘奥が詰まっていました。(公財)日本武道館並びに日本古武道協会の皆様に厚く感謝申し上げます。
大神様の御前は厳しくも温かく楽しいものでした。